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どもりの原因や症状、改善方法を言語聴覚士が解説

どもり,原因

~ どもり原因コラム ~ どもりの原因や症状、改善方法-言語聴覚士監修①

どもりの原因を言語聴覚士が解説

みなさん、はじめまして!言語聴覚士の林です。私は、言語聴覚士として滑舌にお困りの方へ滑舌改善のレッスンや吃音のレッスンを行っています。当コラムでは、「どもりの原因」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので、このコラムを含めて2回に分けてご紹介していきたいと思います。このコラムは、全部で9分くらいかかります(^^; 少し大変ですが、是非お付き合いください。どもりの原因と正しい治療法を言語聴覚士が解説しています

みなさんは「どもり」と聞いてどのようなことを思い浮かべますか?

・つまってしまう
・うまく言葉がでてこない

などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

どもりに悩む方がコミュニケーションの壁を減らすには、治療はもちろんコミュニケーションをとる人の認識も必要です。お互いに、正しい知識を持つことから円滑なコミュニケーションの第一歩となります。

当コラムでは、

・どもりに悩んでいる方
・どもりを改善してスムーズな会話をしたい方
・どもりのある人と関わる方

向けに、どもりの原因や症状、その改善方法を分かりやすく解説していきたいと思います。どもりを正しく理解しコミュニケーションを楽しみましょう!

どもりの症状や始まりの時期

どもりに悩んでいる方は、このようなことを感じた経験がありませんか?

・たどたどしい話し方になってしまった
・また、言葉が出てこない…
・話し方が変だなって思われてないかな

このように話し方を気にしてしまうあまり、自分の言葉で気持ちを伝えることが難しくなってしまったり、自分の話し方に自信をなくてコミュニケーションに消極的になってしまったりします。

菊池(2015)によれば、吃音であることをいつ意識したかという回答に対して、約60%が学校や幼稚園、保育園で自覚していることがわかりました。また、親よりも先に本人がどもりを自覚していることもある。という研究結果もあります。

子供のどもりの症状や特徴

子供のどもりは、学校で音読で間違うことが多かったり、お友達に話しかけられてもうまく返事ができなかったりなどが挙げられます。

しかし、家庭ではどもりの症状が現れない人もいるため、親がフォローできず殻にこもってしまうこともあるようです。どもり症状は、学校でからかいの対象になってしまう事があるかもしれないため、正しい知識を持って学校と家庭の情報共有することが大切です。

どもりとは?特徴や発症の状況

まずは、どもりがどのようなものなのか基礎知識をご紹介したいと思います。

どもりとは、
「流暢なスピーチを達成する協調性の破綻に起因する言葉の流暢性の障害の1つ」
です。(言語聴覚療法臨床マニュアルより抜粋)

つまり、単語のはじめの音に詰まったり流暢に話すことができない状態です。また、次のような特徴があります。

どもりは、2〜4歳での発症が多く、ほとんどが7歳までに発症するといわれています。発症率は約5%といわれ、そのうちの約50%が自然治癒、もしくは簡単な指導で治癒します。発症は男性の方が多く、男女は男;女=3;1といわれています。

では、具体的にどのような症状が出るのでしょうか。どもりの原因や症状など特徴を解説

原因別で分類!どもりの種類

ここでは、どもりの原因と分類を解説します。

どもり(吃音)には、幼児期に明らかな原因がないにも関わらず発症する発達性吃音と、明らかな原因によって起こる獲得性吃音があります。

さらに獲得性吃音は、脳血管疾患や変性疾患、頭部外傷など脳の損傷が原因で発症する獲得性神経原性吃音と、心理社会的原因で発症する獲得性心因性吃音の2つに分かれています。

このように原因によって分類されますが、どもりに悩む方の約9割が原因無いにも関わらず発症する発達性吃音といわれています。

3種類を紹介!どもりの原因

どもりの根本的な原因はわかりませんが、原因ではないかといわれているものが諸説あります。ここでは、そのような諸説あるどもりの原因をいくつかご紹介したいと思います。

代表的なものは以下の3つです。どもり吃音の代表的な3つの原因

①聞こえ(音)の認識に問題がある

②コミュニケーションの失敗経験などによる問題がある

③“話す”という行動自体に問題がある

これらは、どもり症状の一部を説明することはできますが、どもりを完全に説明することはできません。

そのため「どもりの根本的な原因は明らかになっていない」とされています。また、他にもたくさんの要素が重なり合っているという考えもあります。

そして、他にも、河野(2007)はどもりの原因を「吃音的なしゃべり方を吃音者が持っており、この話し方でしゃべっているから」であるとしています。

どもりの原因を突き詰めていくと様々は考え方にぶつかります。しかし、目的はどもりの症状を良くすることですから、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

どもりの症状・特徴を徹底解説

では、どもりの原因がわかったところで、症状を解説したいと思います。

どもりの症状は中核症状を含む発話症状と、それによって起こる二次的な行動とがあります。具体的な、症状は以下のようになります。どもりの症状や特徴の一覧発話症状や随伴症状は、自分の意思に反して出現するため、自分でコントロールすることが難しいです。そして、その症状による考え方や感情なども「どもりの症状」となります。

どもりが出現することで身体や心にも変化があります。それらを包括的に捉えて、症状を改善させる必要があります。

どもりを悩む原因・3つの症状

さらに、どもりの症状を詳しくみていきましょう。まずは、どもりの中核症状を詳しく解説していきます。

中核症状は、自分の意思でコントロールすることが難しく、どもりに悩む原因の症状ともいえます。

具体的には以下のようになります。

どもり・吃音の症状別具体例これらは、自分の意志に反して現れ、互いに症状を避けるために他の症状や二次的症状で隠そうとしてしまいます。具体的には、ブロックが出そうだから引き伸ばしが出てしまうなどです。

これが、どもりの原因で紹介した「吃音的しゃべり方」といわれるものといえます。

どもりの改善方法を解説!

では、どもりの典型的な治療法を紹介していきます。治療法は、大きくわけて3つあります。

①直接法
発話症状を直接改善する
直接法は話し方を自身でコントロールして流暢に話せるようにしていくものです。具体的なアプローチ方法は、流暢性形成法、吃音緩和法、統合的アプローチなどがあります。

②間接法
心理的な部分から症状を改善する
間接法は、意識的に話し方をコントロールしないで、心理的な状態や考え方なども含めて包括的に症状の改善を促すものです。具体的なアプローチ方法は、系統的脱感作法、メンタルリハーサル法、自律訓練法、発話環境の調整などがあります。

③薬物療法
薬の力を借りて症状を改善する
薬物療法は、精神科医の指示の元、必要に応じて薬を使い不安をコントロールするものです。どもり(吃音)からくる不安などを軽減することで症状も軽くしようとするものです。

これら3つの方法は、単独で用いるのではなく個々に合わせて必要なものを組み合わせます。「①直接法と②間接法」を組み合わせた治療を行う事が多いです。

新しい話し方でどもりを改善!

最後に、その他のどもりの改善方法をご紹介します。

河野(2007)はどもりは「吃音的な話し方を保持していることが原因である」といっています。

つまり、どもりに悩む人は

吃音的な話し方をする→習慣化→どもりの症状がでる

ということです。

これに対する治療法を河野(2007)は
「自らがいま保持し使用している吃音的しゃべり方を捨て、別の、流暢に話せる、または吃らない、適切なしゃべり方を造り出し、そのしゃべり方で生活のすべての場面でしゃべってゆくことである。」
としています。

これは、ど新しい話し方を手にいれることで、どもりなく話せるようにしていくものです。

この場合、どもりの原因は「吃音的な話し方」にあります。吃音的な話し方による失敗などの経験が、話すことに恐れなどを生んでいるため、発話症状自体を取り除いてしまえば、話すことに恐れはなくなるという考えです。

どもりを改善するためには、一番向き合いたくないであろう自分の“話し方”に向き合い、話し方を改善することが必要不可欠なのかもしれません。どもりの改善方法について解説しています

原因に応じた方法で治そう

 “どもり”という言葉は差別用語であるとされ、使用することを避ける傾向にあります。このように、どもりに対する認識が高まっている様にみえる一方、一般的な正しい理解という面での認知度はまだまだ十分とはいえない状態です。

どもりは、原因など未だ明らかでないことが多い分野です。そのため、悩んでいる人が多いにも関わらず、十分な治療を受けることができないケースもあります。

心理的なものが原因に含まれるか否かなど、どもりの原因や治療法に対する考え方は様々であり、その中で個々の症状に合った治療法を選択する必要があります。どのような考え方であっても、正しい知識を得て本人の納得できる判断をすることが、どもりの治療や克服にはとても大切です。

次回は「原因に応じたどもりの改善方法」をご紹介します。お楽しみに!

★どもりの原因は諸説あるが根本的には不明。どもりが習慣という考え方もある


*出典・参考文献・書籍
1)小寺富子. "言語聴覚療法 臨床マニュアル 改定第2版"共同医書出版社 (2007):418-439
2)菊池良和, et al. "吃音を意識した年齢に関する検討." 音声言語医学 56.4 (2015): 321-325.
3)都筑澄夫. "記憶・情動系の可塑性と吃音の治療: 発話にかかわるパラリンギスティックな要因について." 音声言語医学 43.3 (2002): 344-349.
4)河野道弘. "吃音の治癒−原因と治療法"株式会社ノンブル社 (2007):2-54

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正しい知識を学んで改善を目指しましょう