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吃音,治療

~ 吃音治療コラム ~ 吃音は治療できる!6つの具体的な方法-言語聴覚士監修

吃音治療を専門家が解説します!

みなさん、はじめまして!言語聴覚士の林です。私は、言語聴覚士として滑舌にお困りの方へ滑舌改善のレッスンを行っています。本コラムでは、「吃音の治療」について詳しく解説をしていきます。このコラムは、全部で8分くらいかかります(^^; 少し大変ですが、是非お付き合いください。

吃音の治療について言語聴覚士が解説しています「吃音」や「どもり」と聞いてどのようなことを思い浮かべますか?うまく言葉が出なくて不甲斐ない思いをしたり…話すことに自信がなくなってしまったり…このようなことで悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

日本では、約100人に1人が吃音に悩んでいるといわれています。吃音によるコミュニケーションの壁を減らすには、吃音の治療はもちろんですがコミュニケーションをとる人の認識も大切です。そのためには、お互いに正しい知識を持つことが第一歩です。

このコラムでは、吃音の治療について詳しくご紹介していきます。

吃音は話す意欲が減ることも…?!

このような経験をしたことはありませんか?

・どうしよう…言葉が出てこない
・思うように話せない
・話し方が変だなって思われてるかも…

話さなくては…と焦ってしまうあまり、自分の言葉で気持ちを伝えることができなくなってしまうこともあると思います。

このような悩みを抱えていては、発話意欲が減退、発話に対する不安、対人恐怖などの悩みにつながってしまい、日常生活でのコミュニケーションが楽しくなくなってしまいます。吃音の悩みは話すことにも影響する

吃音の症状とその原因を徹底解説!

まずは、実際にどのような症状で悩むのか、吃音の症状を解説します。

吃音の症状は、中核症状を含む発話症状と、それによって起こる二次的な行動とがあります。この中核症状と二次的な症状が複雑に進展していきます。

具体的な吃音の症状は大きく以下の5つがあります。

①発話症状
吃音の発話症状は「中核症状のブロック」「繰り返し」「引き延ばし」の3つを含む吃音者に特徴的なものと、正常者にもみられるものやプロソディーや声の高さの異常などがあります。

②随伴症状(身体症状)
随伴症状とは、正常な発話に必要とされる以上に口や顔面、頭部、腕や足など身体が動いてしまう状態をいいます。具体的には、表情がこわばってしまったり、体が過度に緊張して力んでしまうなどがあります。

③工夫(二次的な症状)
工夫とは、吃音症状から脱しようとしたり、勢いをつけるための助走、目的とする言葉を言い換えるなど吃音状態を避けようとする行動です。自分の吃音症状に注目しすぎてしまうものも含まれます。

④考え方
吃音症状が現れることは劣っているという考え方やそんな自分は他より劣っているという考え方のことです。具体的には「どもって話せないことはダメ=どもってしまう自分はダメな人間だ」などです。

⑤情緒・感情
情緒や感情とは、はにかみ、恥じらい、辛さ、悲しみなどの否定的な心理状況をいいます。これらの感情を自覚することで、吃音症状の出現にさらに恐怖を感じることが増えることもあります。

症状の多くが意に反して起きてしまいます。吃音症状による考え方や感情なども吃音の症状として捉えます。吃音の特徴と治療について解説しています

吃音治療を知ろう!

では、吃音の治療方法を紹介します。吃音の治療方法は①直接法と②間接法の2種類があります。具体的には以下のようになります。

①直接法
話し方をコントロールし流暢な発話を目指すトレーニング

発話症状を直接改善させるもの

②間接法
考え方や環境の工夫をして正常な発話を目指すトレーニング

吃音に悩む原因を包括的に調整して吃音の改善させるもの

これらの方法から必要なものを選びます。では、これら方法には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

吃音治療について解説しています

治療法①吃音の発話を直接改善!

まずは、吃音の発話症状に対して用いる治療「直接法」の説明をしていきます。具体的には以下のようになります。

1.流暢性形成訓練
流暢性形成訓練は、意識して流暢な話し方を目指す方法です。流暢に話すためのスキルを身につけ、普段の会話でそのスキルを使えるように練習を重ねていきます。

2.吃音緩和法
吃音緩和法は、滑らかに楽にどもる話し方を目指す方法です。正常な話し方を無理に目指すのではなく、症状から逃げることなどを少なくしていきます。

3.統合的アプローチ
統合的アプローチは、流暢性形成法と吃音緩和法の良いところをとって練習をしていくものです。症状や目指すものに応じて内容の組み合わせを決めます。

これらの中から吃音の症状や目標などに合った練習方法を選び治療を進めます。

治療法②包括的に吃音を改善!

次に、発話だけでなく吃音に対する考え方などを変える必要がある人の治療で用いる「間接法」の説明をしていきます。具体的には以下のようなものがあります。

1.発話環境の調整
発話環境の調整は、吃音の方と話すときの望ましい環境調整に必要な情報や、吃音を正しく理解するための情報を専門家から提供します。主に幼児や学童期に行うことが多いです。

2.系統的脱感作法
系統的脱感作法は、吃音であることに対する不安などを軽減させ、症状を改善させていくものです。目標とする話し方の練習を通して、不安や恐怖を少なくしていく方法などもあります。

3.自律訓練法
自律訓練法は、吃音による体のこわばりやストレスなどを軽くしていくものです。発話に対する緊張を和らげるとともに、日々のストレスを減らす効果もあります。

4.メンタルリハーサル法
メンタルリハーサル法は、頭の中で自然に話している自分をイメージして症状の改善を目指していくものです。頭の中で想定した様々な状況を通して、自然な発話ができるように練習していきます。

4つの方法は、1は言語聴覚士・2〜4は臨床心理士など心理の専門家が行うことが多いです。また必要に応じて、医師や臨床心理士と連携をはかり改善を目指します。

吃音治療を具体的に解説!

吃音治療の大枠がわかったところで、どのようにして治療していくのかを具体的に解説していきたいと思います。今回は、直接法の一つである流暢性促進訓練の具体的な方法をご紹介します。

この治療法でいう流暢な話し方とは
「吃音症状が現れにくい話し方」
をいいます。

流暢に話すスキルを身につけるために、以下の8段階で練習を進めていきます。

1.発話のメカニズムと非流暢な発話についての説明

2.話す前に息を吸う
話し始める前や、会話の区切りが良い場所で軽く息を吸います。

3.ゆっくり話す練習

言語聴覚士の話し方を真似したり、意図的にゆっくりと話す練習をします。

4.優しく話す練習

話し始めの音を優しく、柔らかくすることを心がけて話します。

5.話す長さを短くする練習

1呼吸で話す音の数を少なくするよう話します。たっぷりの息を使って話すように意識します。

例「明日の天気は / 雨の予報です」

6.1フレーズをスムーズに話す練習

1呼吸で言える短いフレーズは区切らず話します。

例「お腹が空いた」

7.母音を伸ばしながら話す練習

課題の中の母音を伸ばして発音します。

8.発音動作の強さの修正

発音が力まないように優しく話すように心がけます。

基本的には、このような流れで練習を行っていきます。使用する課題は、段階などに応じて「1つの音→単語→短文→長文→日常会話」と徐々に難易度を上げていきます。

このように段階を踏んで改善を目指していきます。8つのステップで吃音を治していこう

発話環境は年齢に応じて調整する

最後に、発話環境の調整についてご紹介します。

発話環境の調整は
「吃音に悩む人が社会生活を送りやすくするために必要な情報を共有する」
ことです。具体的には、望ましいコミュニケーション環境設定や吃音への正しい理解のための情報共有をします。

年齢によって大きく3つの時期に分けることができ、その情報共有の対象は以下のようになります。

発達環境と吃音の治療について解説していますこのように、吃音のコミュニケーション環境を整えるために必要な対象は年齢に応じて変わります。

吃音は十分に理解されているとはいえないかもしれません。しかし、吃音で悩んでいる方が多くいることも事実であり、改善するべきか受け入れるべきかなど、吃音に対する考え方は人それぞれです。しかし、どんな状況でも正しい知識を得て、ここに応じた判断をする必要があります。

正しい知識で吃音を治療しよう

最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。症状の改善を目指すと共に、吃音について正しい知識を持つことでコミュニケーションがより楽しくなっていきます。

まずは、ご紹介したことを練習に取り入れてみてください。そして、吃音を治したい!という方は、弊社の吃音改善通信講座を受けてみませんか。弊社では、言語聴覚士が吃音改善のレッスンを担当しています。言葉の専門家があなたの弱点を見極めて、あなたに合った練習を一緒に行っていきます。気軽にご連絡ください(^ ^)

みなさんのコミュニケーションがより豊かになるように、講師も一緒に頑張ります!

★流暢な発話を目指す治療がある
★吃音は段階を踏んで改善を目指す
★情報共有が大切!

 


*出典・参考文献・書籍
1)小寺富子:言語聴覚療法 臨床マニュアル 改定第2版 共同医書出版社 P418〜439 2007
2)小林宏明. "吃音をもつ人への指導・支援の実態と要望に関する調査: 言友会会員を対象として." コミュニケーション障害学 21.2 (2004): 88-96.
3)赤星俊, et al. "吃音検査法< 試案 1> について." 音声言語医学 22.2 (1981): 194-208.
4)都築澄夫:間接法による吃音訓練 自然で無意識な発話への遡及的アプローチ-環境調整法・年表方式のメンタルリハーサル法- 三輪書店 P4〜164 2015.

 

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